刑務所に入ったら必ず部屋に置いてあり、必ず読むことになる生活のしおりです。
刑務所の規則、ルールがたくさん書いてあります。
これから入ることになる人?は参考にしてください。
それでは、ちらっと覗いてみましょう。
ちなみに、三重刑務所バージョンです。
生活のしおり
第1 はじめに
あなたは、今日から三重刑務所で生活することになりました。
この刑務所で生活している間に、自分の犯した罪と誠実に向き合い、真摯に反省をするとおもに、二度と犯罪に手を染めることなく、健全な社会の一員として生活していくための具体的な計画を立て、出所していくことが期待されています。
当所では、あなたが改善更生と円滑な社会復帰に向けて真剣に努力することに、できる限りの応援をします。
あなたも自分の置かれている立場を自覚し、日々の生活を送るよう心掛けなさい。
またあなたは、受刑者という立場で当所に収容されていますので、刑の執行に伴う制約や大勢の受刑者が集団で生活することに伴う制約があることも充分承知してください。
この「生活のしおり」は、当所で生活していく上であなたに知っておいてもらいたいことをまとめたものです。あなたに認められた権利とそれを実現するための具体的な手続き、あなたが当所で受けることができる様々な援助の内容とその手続き、当所で生活していく中で安全で平穏な環境を維持するため定められた細かな決まりなどが、体系的にまとめてあります。
よく読んで、刑務所での生活を、少しでも有意義なものとするよう努めなさい。
なお、しおりについては次のことに注意して正しく取り扱ってください。
1、このしおりは、居室に備え付けるものであるので、無断でほかの場所に持ち出さないこと。
2、このしおりは、大切に取り扱い、破ったり、落書きしたり、よごしたりしないこと。
3、このしおりは、読むときのほかは、定められた場所に保管しておくこ。
第2 生活目標
君たちは、今、自分の「過ち」に気づけば、再出発できる人生が残っています。
当所での生活を通して、自主及び遵法の精神を養い、将来、社会で幸福な一生を築く希望を持たなければなりません。
1 反省
人はいつまでも「過ち」にこだわることはありません。しかし、なぜ間違いを起こしたかをよく考え、被害者に対する償いや家庭や社会に迷惑をかけたことなどに対する反省をしなければなりません。
2 健全な生活
健全な社会人として更生するためには、自堕落な気持ちを捨て規則正しい生活を通して働くことに喜びを持ち、また余暇時間には修養・勉学に励む一方で、整理整頓にも心掛けなければなりません。
3 自立心
他人に支持されなくても、自ら物事の善悪を判断し、正しく、強く、明るい人間になれるよう努力しなければなりません。
第3 一般的な心得
刑務所での生活は決して楽なものではありません。自分が犯した罪を真剣に反省しながら、将来に向けて自分自身を見つめなおしていく過程で、いろいろと辛いこと苦しいことがあると思います。
また、大勢の受刑者が集団で生活しているため、自分ひとりで、あるいは気心の知れた家族と一緒に生活していたときのように、自分のペースで生活していたものでは、他の人と思わぬトラブルが発生してしまいます。ここでは、生活していく上で、あなた常日頃、心掛けてもらいたい心得を説明します。こうした心得は、気持ちでは、分かっていても守るのは難しいものです。時々読み返して、自分の生活がこの心得に沿っているかどうか、自ら反省する機会を持つようにしなさい。
1 受刑生活は共同生活です。共同生活で必要なことは、お互いの人格を尊重して、話し合い、理解しあい、そして、協調して共同生活を送るよう心掛けなければなりませんが、自分の住所、電話番号、家族の氏名などのプライバシーに属する事柄を知ろうとしないように心掛けなさい。
2 居室においては、勉学や将来の生活設計の構築など目標を持った生活をお互いに送るためにも、他人に迷惑をかけることのないように心掛けなければなりません。
3 自分の周りが綺麗できちんと片付いていることは、衛生的で気分をさわやかにするだけではなく、その人の人格や品行の潔さにも通じるものなので、
居室や工場等の清潔整頓に努めるよう心掛けなければなりません。
4 所内生活において、わからないことや悩みごとなどがある場合には、一人で考え込まずに進んで職員に相談して解決してください。
5 被収容間では、お互いに礼節を守って生活し、お互いを呼び合うに際しても、「君」「さん」を付けて呼び合い、決してあだ名を言ったり、呼び捨てにしてはいけません。また、乱暴な言葉遣いや動作または他人に不快感を与えるような態度を絶対にしてはいけません。
6 衣服の身に着け方が、その人の人格を表すといわれます。
服装は定められたとおり正しく着用し、許可なく裸になったり、はち巻きをしたり、タオルを首にかけたり、その他だらしない恰好をしてはいけません。
7 あなたは、刑務所に収容されることにより、外部の世界とは面会、信書の発受といった所定の方法によってのみ連絡を取ることができます。したがって、職員、刑事施設視察委員会の委員、篤志面接委員、教誨師、作業指導員など、あなたと接する機会がある外部の人に、物品や金銭を要求したり、授受したり、伝言を依頼したりしてはいけません。
8 刑務所では、権利の行使や援助の申し出などをする際には、原則として、願せんという書面を作成して職員に提出します。願せんは、必ず自分自身で作成し、左手人差し指(該当する指で押せない場合には他の指でも構いません。その旨を職員に申し出なさい。)で指印を押しなさい。他の受刑者に代筆を頼んだり代わりに指印を押してもらってはいけません。また、自が書けない場合には、職員に申し出れば、職員が代筆します。
9 職員に願せんの交付など願い事を申し出る場合には、居室では無言で報知器を降ろし、工場では片手をまっすぐに挙げて「はい」と一声発し、職員が応対するまで待っていなさい。一人の職員が多くの受刑者を受け持っていますので、すぐに職員が来ないからといって、大声を出したりしてはいけません。ただし、火災や同室者の急病など、一刻を争う緊急の要件の場合には、大声で職員を呼びなさい。職員は、刑務所の中で大声を出すことは緊急事態であると認識していますので、他の用務を勇断し、直ちに駆け付けます。
10 刑務所の中では、同意があることを装って他人から物品を脅し取ったりすることが経験則上認められるため、たとえ同意があったとしても物品のやり取りをしてはいけません。これを禁止することで、弱いものが困らないようにしています。また、刑務所の中では物品をきちんと管理する必要がありますので、自分の物であっても物品の使用目的以外に使用したり、勝手に加工したり、壊したり、捨てたりしてはいけません。持ち主の分からない物や不審な物を発見したりした場合はすぐに職員に申し出なさい。
11 刑務所内では、あなたが移動するときは必ず職員が同行します。刑務所内で移動するときは、走ったりしないで、普通に歩き、腕組みをしたり、懐やポケットに手を入れたりしないで、両手を自然に伸ばして歩きなさい。故意に肩を振ったり、履き物を引きずるなど、だらしない歩き方、他人を威圧するような歩き方をしてはいけません。2人以上の人がが一緒に歩行する場合には、職員の指示に従い、整列して整然と歩きなさい。
12 日用品・湯水・電気などの無駄遣いを避けて節約に努めなければなりません。また、設備、備品、衣服、寝具その給貸与品については大切に取り扱わなければなりません。
第4 1日の生活
刑務所での毎日の生活は、表1「受刑者動作時限表」に従わなければなりません。あなたは、社会内では自分のペースで生活していたかもしれませんが、刑務所で集団生活を営む以上、食事、就寝などの時間を皆と一緒にしなければなりません。起床、食事などの時間帯は、チャイム、放送、職員の号令等で知らせます。決められた時間内に行動するよう心掛けなさい。
と、まあこんな感じです。
まだありますが、長いのでこの辺にしておきます。
他にも被収容者遵守事項というものありますが、これは後日書きます。
いかかだってでしょうか?
刑務所に入るといろんな規則があり、厳しいところです。
できれば入りたくないですが、入ってしまった、もしくはこれから入る方は、これを良い機会にして人生を変えていきましょう。
受刑者の1日の流れを知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
刑務所の中の生活 1日の流れを元受刑者が明かす